尾藤克之先生のご著書「波風を立てない仕事のルール」には、「ほどほどを望む人に捧ぐ「逆説」の働き方指南」とあります。
ここでは、尾藤先生の波風を立てない仕事のルール ~「逆説」の働き方指南がどのような内容の本なのか、どのような悩みを抱えている方にオススメしたい本なのかを紹介します。
「波風を立てない仕事のルール」とはどんな本?
「この世の中は理不尽なものです」と著者は言います。
たとえ自分にまったく落ち度がなかったとしても、謝罪に追い込まれたり、責任を取らされたりすることは日常茶飯事です。
最悪の場合、職を追われてしまうことだってあり得ます。
しかし、その理不尽をなくす方法ではなく、現時点で存在している理不尽をかわし、防ぎ、対処する方法が必要だと著者は述べています。
・理不尽な状況に追いやられないように、どう立ち振る舞えばいいのか
・理不尽な状況に追いやられてしまったら、どう切り抜ければいいのか
本書では、仕事などで大失敗や面倒なトラブルに巻き込まれることなく、穏やかに働きながらも、上司に気に入られてそこそこの評価を勝ち得、いい具合に生きていく方法について、22のルールが掲載されています。
全5章からなり、総ページ数は192ページです。版元はきずな出版です。
各章の内容は、
「事を荒立てない謝罪の鉄則」
「危険を冒さずリスクをかわす」
「上司に気に入られる仕事術」
「ご機嫌を取ってうまいことやる」
「文章で下手を打たないために」
です。
「波風を立てない22の仕事のルール」
本書では、仕事をそつなくほどほどにうまくやるために22の仕事のルールが掲載されています。
・トラブルが起きたら犯人探しより謝り方が勝負
・謝罪に不可欠な「客観的視点」
・相手に選択を委ねる
・事実はそのまま伝えない
など、たくさんのルールがありますが、なかでも私が印象に残ったのは「選択を相手に委ねる」というルールです。
例えば電車が遅れたり、渋滞にあったりして遅刻してしまった時でも「電車が遅れまして」とは言わない。
「申し訳ございません。お約束の時間に遅れてしまいそうです。日を改めて伺ったほうがよろしいでしょうか?」
電車が遅れたと伝えることで「自分は悪くない、他が悪いんだ」というメッセージを送ることになり、ただの言い訳に受け取られる可能性があると著者は指摘しています。
このように、自分で勝手にミスを正当化し、勝手にその後の対応を判断せず、判断は相手に委ねるのが得策としています。
仕事だけでなく日常的にも何気なく「電車が遅れてしまった」といってしまいやすいところですので、本書を読むことで気を付けようと考えることができました。
このように、本書ではのちのちトラブルに発展しそうなちょっとした出来事に対し、先手を打つ方法について様々な角度から紹介されています。
本書ではトラブルを未然に防ぎ、またトラブルが起きた時にどのように対応すればいいのかということが分かりやすくまとめられた一冊です。
著者情報
尾藤克之

コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員。
東京都出身。便宜志秘書、大手コンサルティングファームにて、経営・事業開発支援、組織人事問題に関する業務に従事、IT系上場企業などの役員を経て現職。
NHK,民放のTV出演、協力、経済誌の取材多数。現在、コラムニストとして、朝日新聞「telling,」「オトナンサー」「アゴラ」で執筆中。
その他の著書 「3行で人を動かす文章術」、「即効! 成果が上がる 文章の技術 (アスカビジネス)
」
※ご本人より掲載の許可をいただいて掲載しています。
どのような人にオススメ?
・仕事はほどほどでよいと考えている人
・そつなく穏やかに仕事をこなしたい人
・仕事上のトラブルを避ける方法を知りたい人
このような方にオススメの一冊となっています。